みゆぷりあんぬ日記

楽しいおでかけ、おいしいおやつ

心の動き

私は心理描写が豊かな小説が好き。豊かなだけではなくて、自分の感性と現状に合っている心理描写じゃないと読み取れないけど、とにかく心の動きがよく描かれている小説が好き。

抱いていたり触れたりしたことのある感情が小説に描かれていると、その感情を抱いている(いた)ことを改めて自覚したり、考えたりする。場合によっては小説がその感情に名前をつけていたり、詳細に解説していたりする。本を読むことで一緒に心が動くのが心地よいのだと思う。

抱いたことのある、もしくは触れたことのある感情が増えれば増えるほど、本が魅力的になるんだと思った。大校生の頃読んだ『海辺のカフカ』は、文章そのものは素敵だったけどそれだけだった。登場人物それぞれの魅力や苦しみに、わたしの心が動かされることはなかった。でも最近読んだ『海辺のカフカ』は、読んでいると苦しくなるほど人の心の動きがたくさん描かれている。恋や空虚や諦めや、気づきや変化への感動や、母性や愛着や葛藤とか色々。

大学生の頃は恐ろしく狭い世界で生きていて、自分と似たような人としか関わらなかったし(しかも関わりのある人間の95%くらいが女性だった)、自分とあんまり似ていない人を知ろうとも関わろうともしなかった。したがって感性も限定的だった。でも1年前突然(今までと違うという意味で)異世界に放り込まれたことで、私の知る感情は1年間という期間にしては劇的に広がった。大きな意味があったと思う。少なくとも村上春樹の小説の魅力を感じるという点においては。

色んな世界の色んな人に会って、色んなことをして色んな感情を知れば、もっと本は魅力的になるのかな。