こんなに晴れやかな気持ちで京都を出る日が来るなんて思わなかった。
4年前、壊れかけた故郷を捨てて京都に来た。姉の勤める会社にアルバイトで入社させてもらった。なし崩しにはじまった社会人生活は、周囲に学生が多く、また収入が少ないこともあって学生生活の延長のようだった。
福島から京都に来ること、福島に戻らず京都で生きることを選択したのは私自身だけど、選びたくて選んだ選択肢ではなかった。その後も何度も京都を出るや今の仕事をやめることを考えたけど、また逃げるのか、と思い、できないでいた。
アルバイトから社員になり、京都から東京に行く。それらは自分が望んで選び取った。私は周囲の後押しを得ながら、自分の力で人生を作った。よく頑張ったな、と思った。
3月に入り、京都を離れるに際してたくさんの人が送別してくれた。ダメになれないな、と思った。がっかりされたくない。絶対にされたくない。
京都さようなら。
東京こんにちは！
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